サファイアでエメラルド。

『流浪の月』で一番印象的だった、魅力的な更紗の両親を想い出しつつ、超久し振りにボンベイ・サファイアを買いました。
夕飯にアイスは無いけれど、チーズケーキの自由度もそこそこでしょう(笑)。



「マイペースすぎてやばい人」な更紗の両親が、奔放ながら愛情深くて愛惜しいので、少女時代の更紗が負う痛みは、ふたりを失うことだけで充分だったのではないか、と想ってしまいます。
其の上で、彼らの嗜好(思考?)や生活を否定しない文の存在が救い……と言うだけで、充分なのではないかと。
物語の中で唯一の、何の事情も同情の余地も無い真の悪人が全く報いを受けない(描かれていない)のが何とも腹立たしく、遣る瀬無くて、許し難い。実直に細やかに事実や真実が描き込まれ、積み重ねられていく『流浪の月』の中で、此の展開だけが最後まで苦しかったです。
彼奴の存在が無ければ、完璧に大好きな小説だったのにな(苦笑)。

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