まつろわぬ魂。

猛暑の新橋で、『阿弖流為』を観てきました。歌舞伎と現代劇の観せ場を取り込んで凄く楽しく、深く、面白いです。
たおやかな美女からミステリアスな表情、猛々しい程の殺陣まで観せる七之助さんに惹き込まれ、クマ子の健気さには、つい涙が浮かぶ(苦笑)。猛暑の中、観に行けて良かった……(溶)。



神の貌になった立烏帽子と阿弖流為が対峙するシーンは、殺陣の気迫も遣り取りの切なさも胸に迫ります。
アイデンティティの拠り処である土地の神、しかも愛した女性の姿で目の前に立っている相手を討ち、自ら戦神になってしまう阿弖流為の雄々しさと孤独感。倒れる立烏帽子に背を向けて「やがて我が魂は貴方の許へ」と誓うのが切なくも愛情深くてトキメきました。
熱い心を持っていて、周囲もそう評する阿弖流為のことを「冷たい男だ」と言うのも痛ましいくらい切なく、でも美しかったです(涙)。私は七之助さんが演じる、重いものを背負ってたり隠してたり、薄幸だったりするヒロインが本当に好きだ……。

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